タナロット寺院の夕暮れ

タナ・ロット寺院の起源は16世紀にさかのぼります。尊敬されるヒンドゥー僧ダン・ヒャン・ニラルタが、バリ島を旅しながらヒンドゥー教の教えを広めていた時のことです。旅の途中、彼はベラバンの岩海岸にたどり着き、その美しさと神聖なエネルギーに魅了されました。彼はこの岩を神聖な場所と信じ、そこで瞑想を始めたと伝えられています。

しかし、当時の村人や村長はニラルタの存在を快く思わず、彼を追い払おうとしました。すると、ニラルタは神の力を示すために、その岩を霊的なエネルギーで海へと移動させたとされています。そして、自らの聖なるスカーフをその場に残し、それが伝説の海蛇へと姿を変え、今日まで寺院を守護していると言われています。この奇跡を目の当たりにした村人たちは、タナ・ロットを聖地として受け入れ、海の神バルナを祀る寺院を建立しました。

長い年月の間、タナ・ロット寺院は強い海の波や浸食に耐えながら存続してきました。1980年代には、インドネシア政府と日本の支援による大規模な修復プロジェクトが実施され、寺院の基盤が強化されつつも、その文化的価値は維持されました。

現在、タナ・ロットはバリ島で最も多くの巡礼者と観光客を惹きつける霊的ランドマークのひとつとして、訪れる人々に息をのむような景観と神秘的な雰囲気を提供し続けています。